『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を観ながら、"Shit"について考える
映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でお気に入りなのは、主人公マーティを追いかけ回すいじめっ子ビフとそのお仲間が、車ごと肥やしの山に突っ込むシーン。
突入する直前に、"Shiiiiiitttt!"(クソー!)っとわめくのがおもしろい。
"Shit"というセリフにこれほどまで必然性を持たせる映画はそうありません。
このシーンが笑える理由が、もうひとつ。
英語に"in deep shit”という表現が存在するんですが、直訳すると「深い汚物の中にいる」。
そう、あの情景そのまんまなんです。
それが転じて、「最悪の状態に陥っている」という意味になります。
例えば、
Biff and the gang are literally in deep shit.(「ビフ御一行様は、文字通り深い汚物の中にいる」=「ビフ御一行様は、文字通りやばいことになっている」)
というふうに使います。
これと似た表現に、"the shit hits the fan"があります。
「汚物が扇風機に直撃する。」
その結果はどうでしょう。
考えるのもいやですよね。
「大変なことになる」という意味になります。
Let's get out of here before the shit hits the fan.(やばくなる前に、さっさとずらかろうぜ)
どうもネガティブな意味がつきまとう"shit"ということば。
しかし、"shit"の前に"the"をつけるだけで、たちまちポジティブな意味に早変わりします。
the shit = the best
つまり、最高のもの(こと)という意味になるんです。
EDMのスーパースターDJ、スクリレックスとディプロのユニット「ジャックU」。
フィーチャーは、ラッパーの2チェインズ。
『Febreze』という曲に、次のような歌詞がでてきます。
Yeah, I'm the shit
I should have Febreze on me
(オレこそが最高のラッパーなんだ。ファブリーズしときゃよかったな)
オレは"the shit"だから臭うんだ、とこういうわけです。
さあ、今日は"shit"だらけになってしまいました。
ここですこしファブリーズしておきましょう。
ついでに、肥やしの山に埋もれているビフたちにもかけてあげましょうか。
1本や2本では間に合わなそうですが。